ファッション日記

もう一つはファッション日記です。ファッション日記というのはおしゃれな日記という意味ではなく、人に良い自分を見せるために書いている、本当の日記じゃない日記のことです。日記を書いていなかったら決して読まないだろう本を読んで感想を書いてみたり、その日読んだ、買った本の題名を書いてみたり、新しく出来た本屋に行った事を書いてみたり、或は無くなってしまった本屋について嘆く日記です。同様に、日記を書いていなかったら決して聴かなかっただろう音楽を聴いて感想を書いてみたり、その日聞いた、買ったCDのタイトルを書いてみたり、新しく出来たレコード屋に行った事を書いてみたり、或は消えてしまったレコード屋について嘆く事です。もしくは日記を書いていなかったら決してしなかった観劇……ミルクについて嘆いたり。以上はとても極端な例ですけど、他にも、例えば実勢以上のナイーヴさをアピールしたり、お笑い芸人を詰まらないとけなしてみたり、百の質問に答えたり、キャラクター占いを通して間接的に自分の性格を書いたり、ジーコ監督の悪口を書いてみたり、とにかく! 何もかも、が、です!! 自らの駄目を嘆くという事は自分の理想がそれ以上であるという事を示すポーズ、ファッションです!


かれこれ、5〜6年、web日記を書いてるけれど、ネットという一種の公の場である以上、仕方ないことなんじゃないかなぁ、と思う。というのも、実験的に普通の日記に書くようなことを1週間ぐらい書いてみたら、根暗だとかたたかれたから(笑)その逆のケースもあって、普通の日記を書いてるweb日記を見てもまずブックマークはしないんだよね。単純につまらないから。普通の日記に興味が出る場合ってのは、その筆者自身への興味がないといけない。だが、互いの顔が見えないネットにおいて、初見のweb日記を読んだだけで筆者への興味をそそられるか、っていったらまずありえないし。となると、ある程度着飾ることは必然になってくるんだろうね。公園に裸で出ることがないように。